| まず最初に、痛風である事を診断する事です。次に診断が確定したならば、痛風は関節が痛む病気であるだけではなく、むしろそれ以上に全身に及ぶ代謝の病気であるため、一生涯病気と上手に付き合っていくことが大切となります。ですから、病気の初めのうちに、長期間にわたる治療方針を決めるための充分な検査を行う必要があります。具体的には、ほかの良く似た病気と区別する事、痛風への合併症の有無を調べる事、痛風が尿酸生産型か排泄低下型かを決める事が重要になります。 |
| 診断する上で特に重要なのは、高尿酸血症の証明と、関節液や痛風結節中の針状の尿酸ナトリウム結晶の証明です。この結晶の存在を証明できれば、痛風の診断は確実となります。また、骨や関節のレントゲン写真による検査も大切です。尿酸は、レントゲン線の透過がよく、骨に尿酸塩が沈着するとその部分の骨が欠けて見えます。痛風のレントゲン写真の所見は、尿酸沈着の程度と局所の反応性の変化によりいろいろです。 |
肥満の程度を知るため、身長・体重の測定が必要です。また、心臓循環器系の合併症が多く見られるので、その検査も行います。中性脂肪の異常、糖尿病の有無、腎機能検査も必要です。患者には飲酒家が多いので肝機能検査も必要です。痛風の急性炎症期には一過性の血沈促進、CRP陽転、白血球数の増加がおこり、炎症が収まると共に正常化するのが特徴です。
また、痛風の型が、尿酸の過産生型か排泄低下型かを区別するため、尿酸排泄能力(尿酸クリアランス=低プリン食にした上での一日尿酸排泄量の測定)の検査も必要です。その結果、過生産型の場合は、いろいろな酵素の異常を調べる事になります。続発性の痛風の診断には、末梢の血液検査、骨髄の検査、どんな薬を服用しているのかなどを調べる必要があります。 |
| 尿酸排泄量および尿酸排泄能力(尿酸クリアランス)から痛風を分類する事ができます。尿酸過生産型では尿酸クリアランスが正常で、一日尿酸排泄量は増加します。一方、排泄低下型では正常以下で、尿酸排泄量は正常かそれ以下になります。この区別は、どんな薬を用いるのが適切かを決めるのに大切ですが、簡単な検査ではなく入院が必要となる事が多いものです。しかし痛風の診断だけならば、症状を良く見るだけで、一般の人でもそれほど難しいものでは有りません。 |
| 痛風と間違えやすい病気としては、関節リウマチ、変形性関節症、偽痛風、外傷による関節炎、サルコイドーシス、関節周囲組織の細菌による炎症、乾癬性関節炎などがあります。 |
| 持続している高尿酸血症は、数年後にはかならずといってよいほど痛風になります。この両者は連続しているといえます。その意味では、単に高尿酸血症であるうちにこそ予防する、つまりは早期予防が大切です。この時期の対策を怠ると、高血圧、糖尿病、高脂血症などと同じく、脳卒中、心筋梗塞、腎臓病へと進んで、取り返しが付かなくなります。 |
| 高尿酸血症の予防はやさしくはありません。第一に、肥満にならないように体重を標準といわれる値の10%以内に保つ事です。此れにはアルコールの、飲みすぎ、食べすぎを防ぐ事です。この両方は高尿酸血症の人では、必ずといってよいほど共通しているようです。食べすぎというのは、脂肪、糖質、蛋白質の三大栄養素の取りすぎや、塩分の取りすぎと関連しています。 |
高尿酸血症といわれた人が、その進行を防止する具体的な方法としては、今までの食事内容のうち、アルコール飲料とプリン体を多く含む蛋白質性の食品の摂取を10〜30%減らす事です。急には減らせないので、ゆっくりと食習慣を変えてゆきます。
特に男性の高尿酸血症の人たちは、頭脳的にも肉体的にも活動的で、社交性もある人たちなのでこうした食事内容の制限は事実上困難な事は分りますが、その後の重い病気を考えると、この点が重要なのです。さらに、高尿酸血症だけではなく、高血圧で尿に蛋白が出る人、顕微鏡検査で尿に赤血球が多い人(此れは重要なのですが一般には検査が行われていません)、血液中の脂肪が多い人、糖尿病に近い検査値を示す人などでは、現在の太り方にもよりますが、平均的には現在の飲酒量とカロリー摂取量を
20〜40%くらい減らした方が良いと思われます。そして肥満体からスマートな体形になる事が大切です。 |
| 高尿酸血症になる男性は外食が多いというのは事実でしょう。外食の場合、家に居る時とは食事内容が変わってきます。特に奥さんが、ご主人の高尿酸血症ないし痛風について適切な生活指導を受けたときと受けないときでは、大きな差が出ます。外食時でも家にいるときと同じような食事内容にする事が大切なのです。 |