| 痛風も高尿酸血症も、人間ドックや健康診断でそういわれたからといって、あわてる必要はまったくありません。ただ、高尿酸血症がいつから始まり何年続いているのか、検査の前日にさかのぼって、どんな食事や運動をしていたのかという事が大切なのです。また、ほかの病気があるかどうか、あるならばその治療はどうなっているのかが問題になります。医師には、検査時までの飲酒量や食事内容と検査までの時間を正確に話す必要があります。一般に酒量については控えめに言ってしまう事がよくありますが、この病気では酒量が一番重要で、医師にとってもそれが判断する上で基本となります。また、発作の起こった後、尿酸値が変わるかどうか、2週間ほど間隔を置いて2回ぐらい尿酸値を測る必要があります。血液中の尿酸値に関する検査をする場合、血液検査と尿検査ぐらいを行うことが多いのですが、実際は前述したようないろいろな合併症の有無についても同時に調べる事になります。 |
痛風の治療としては、まずその耐え難いほどの強烈な関節炎をなるべく早く抑え込むことです。次に、単なる関節炎の痛みではなく、その原因になっている高尿酸血症の改善が大きな目標となります。数値上の目安としては、血中の尿酸値を正常範囲である4〜6r/dlに保つ事、そうする事によって高尿酸血症のときにだんだんと進む腎障害を防ぎ、また、肥満や血中脂肪の高い事、高血圧、耐糖能の異常などを同時に抑えていく事が大切となります。(表7を入れる)
分りやすい指標としては、食事量を意識的に減らして体重がゆっくりと1ヶ月に2〜3sずつ減ってゆき、標準体重の+10%くらいまでになる事です。
標準体重としては、身長165p未満の人では、身長(p)から105を引いた数値(s)、165p以上では、身長(p)から100を引いて0.9をかけた数値(s)という事で、大体は良いと思います。痛風結節のある人、腎臓に結石があって血尿または背中の腰に近い辺りに急激な痛みがある人などでは、それらの症状についての対策も必要になります。 |
| 高尿酸血症や痛風では、食事療法としてそれほどはっきりしたものはありません。また、薬物では高尿酸血症に非常に有効なものがあります。一般に代謝病と呼ばれるいろいろな病気では、好きな食べ物、飲み物のとりすぎが要因の一つになっています。たとえば、糖質(甘いものやでんぷん質)のとりすぎで糖尿病になったり、脂肪やカロリーのとりすぎで肥満や高脂血症といった状態になります。また、高血圧の重大な原因として、塩辛いもののとりすぎといったことが一般によく言われます。同じように高尿酸となる人では、酒類と「うまいもの」のとりすぎの人が多いようです。「うまいもの」を止めて「まずいもの」を食べるようにすれば良いのですが、それでは人の生きがいをなくす事になるでしょう。 |
| 食事療法の原則を一口で言えば、酒の量を減らす事、「うまいもの」の代表である肉類やいろいろなスープをとりすぎないこと、そしてカロリーをとりしぎないことの3点につきます。要するに、お酒も「うまいもの」も此れまでの食事量の3分の2くらいにして、腹八分目にする事が原則になります。能率が良いのは、酒量の制限と、モツ類の制限でしょう。ただ、前にも述べたように、すでにいろいろな病気が合併している場合は食事内容を厳しくすれば、それだけでも高尿酸血症は長い間には正常になります。しかし、活動的な人々には、かなりゆるい食事制限で、食事を楽しみながら強力な薬を少し飲むのも一つの方法でしょう。
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| 関節の痛みの発作に対しては、その為の薬があります。
また、飲酒を含む食事制限を行っても尿酸値が常に8r以下にならない時には、
薬物を用います。
薬物には大きく分けて2種類あります。一つは尿酸が体内で作られるのを抑える薬で、尿酸が体内で作られすぎて、尿中にも多く出すぎる人(尿酸過生産型)に適当です。もう一つは、尿酸が尿中に出にくい人(尿酸排泄低下型)に用いられる薬です。専門の医師はこれらを、いろいろと複雑な検査の結果から使い分けますが、どちらの薬を使っても大差の無い場合も多いようです。尿酸の産生が多い人にはアロプリノールという化学名を持つ薬が、尿酸の排泄が抑えられている人にはベンズブロマロンという薬が主に使われます。後者は、尿酸を腎臓から多く押し出す薬なので、尿が酸性の時は尿路で結石を作りやすく、尿をアルカリ性にさせるクエン酸製剤(果物のジュースに似ている)をいっしょに使う事が多くなります。
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痛風の患者さんには重い人、軽い人がいます。長年にわたって病気になっていながら放置していた場合は、重症になって腎臓が悪くなり、尿毒症(腎不全)になるといわれています。この段階までになった場合には、腎臓の専門医に相談する事が必要です。
ほかに、此れも痛風を放置した結果、腎臓は悪くないのに大きな痛風結石があちこちに出来たり、いろいろな関節の炎症が同時にいつでも起きてしまい、痛くて普通に仕事が出来ない場合もあります。痛風結石があまりに大きくなったときは、外科的に手術して取り除く事になります。このように高尿酸血症や痛風には、いろいろなタイプがあるので、やはり困ったときには専門医を訪ねる事が大切です。
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高尿酸血症ないしは痛風は、主要な成人病の一つですが、一番遅くなってから注目されてきたために、なんとなく細かいところが分らないまま現在まできてしまった観があります。原因として、体質の遺伝、ストレス、酒類とカロリーのとりすぎなど、いろいろな事が関連しています。特殊な別の病気の一症状として現れてくる場合も有ります。また、高血圧、肥満、高脂血症、糖尿病などと合併している事も多く、大変複雑な病気、病態といえます。重要なのは痛風や高尿酸血症は他の成人病と絡んで進行するという点で、関節だけの病気ではないのです。高尿酸血症だけだといわれた成人では、ほとんど無視していて良いくらいなのです。しかし、それに加えて二、三の異常が指摘された場合には、放置すると尿毒症、狭心症や心筋梗塞、そして脳卒中という重くて取り返しの付かない病気になるぞという警戒警報だと思ってください。その一方で、治療を正しく継続していれば何の心配も要らないという事も、強調しておきます。
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