病名の説明
英語ではsystemic lupus erythematosus, SLEです。歴史的には、昔、狼に噛まれたような特徴的な顔の紅斑(erythema)から狼を意味するlupusをもちいlupus
erythematosusと呼ばれていました。
疫学
我が国には約5万人の患者さんが登録されています。男女比は約1:11と女性に多く、発症年令は男女とも20歳代です。
病態
病因はいまだ不明です。免疫以上から全身の臓器を侵す炎症性疾患で、寛解(治療薬により一見治った状態になること)と増悪(『ぞうあく』、と読みます。症状が悪化すること)を繰り返します。
症状
全身倦怠感、発熱、体重減少などの全身症状を認めます。皮膚粘膜症状では、典型的には顔の蝶形紅斑点、円板状紅斑、光線過敏症と口腔の無痛性の潰瘍です。関節痛はよくみられますが、関節の変形はまれです。腎症状もよくみられます。中枢神経症状、心臓・肺の症状、消化器症状なども重要ですが、詳細は省略します。血球減少も重要です。
検査
既に述べたように全身に変化が起きうる疾患なので、SLEを疑った時は、人間ドッグで行うような全身をしらべる検査が、まず必要となります。その他に、血液では免疫に異常がないか詳しく調べます。尿では腎臓の状態を調べます。
診断
通常、アメリカリウマチ学会の基準で診断されます。11項目(蝶形紅斑、円板状紅斑、光線過敏症、口腔内潰瘍、関節炎、しょう膜炎[胸膜炎、これは、いわゆる肋膜炎です。そして、心膜炎]、腎障害、神経障害、血液学的異常、免疫学的異常、抗核抗体)のうち4項目満たす場合診断されます。ただし、これは大規模な疫学研究などでは重要ですが、実際の臨床の場では、たとえば典型的な蝶形紅斑だけでも医学的には診断される場合もあります。したがって、個々の患者さんの診断の根拠に関してはリウマチ専門医の説明を直接聞いて下さい。
治療
「炎症」を抑える治療と「免疫異常」を是正する治療が中心となります。したがって、副腎皮質ステロイド薬と免疫抑制薬が治療の中心となります。なお、最近では、関節リウマチの項で述べたような、生物学的製剤も使用されるようになってきており、あらたな治療も始まっています。
|